鈴木元気のバスケノート

バスケットボールに関して思ったことをポチポチ書いていきます。

ノールックパスの生まれ方 ~How No Look Pass is born?~

どうも!!最近バスケしたくて堪らない鈴木元気です!!
いや〜、バスケしたい!!ゲームしたいし、ガチの試合したいですね!!


そんな自分の願望は置いておいて、
前回の続きです。
予告していたノールックパスについて
書いていきたいと思います。

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ということでまず初めに、
昨シーズンのベストノールックパスをどぞ!!

www.youtube.com

僕自身は5:11〜のルビお君は好きですね!!
6:33〜の人間やめた方も好きですね!!
7:52〜のLinsanityもよさげです!!

では、「ノールックパスの生まれ方」について書いていきたいと思います!!

〜ノールックパスの生まれ方〜

まずノールックパスは厳密には「ノールック」ではありません。
これは皆さんお分かりだと思います。 流石に見ていなきゃ出せません。

ただ、パスを出す瞬間に見ていないから「ノールックパス」になります。
またノールックパスはただのオシャレではなく、
DEFからすれば、パスを出しそうな瞬間に見ていないのでノールックだし、出す先が読めないので効果的なのです。
というか、効果的でなければ意味がありません。今回ここで解説する「ノールックパス」ですが、「”効果的な”ノールックパス」に関してです。
下でチカチカしてるとこです!
(ちなみに、この図はGIMPで自作です^^)

パスの分類


 

では、ここからが本題!

「ノールックパス」を分解!

  1. DEFに気づかれない確認【認知】

  2. レシーバーの動きの予測【判断】

  3. パスの出す方向を見ずに正確に出す技術【実行】

この3つによって生まれます。しかも、特に1と2を高速で正確に行っているからこそ生まれるのがノールックパスです。

アウトナンバーでいわゆる三線速攻のシチュエーションで、センターライン付近で、サイドを走っている味方にセンターからパスを出す場合は、
「フリーの味方の【認知】」はパスを出す瞬間まで引き延ばすことができるし、
フリーなので、「味方の走るスピードからパスを出す方向とスピードを【判断】する」だけで良く、
「パスを出す方向を見て、パスを【実行】する」だけなので要する技術もかなり基礎的である。

同じ【認知-判断-実行】の過程でもノールックパスの方が遥かに高度なのです。
(ちょっと例も極端でしたが・・・笑)

「ノールックパス」の各要素を解説!

では、1の【認知】に触れていきましょう!
この【認知】で、"DEFに気づかれず"と述べました。このDEFに気づかれない方法として、

  • かなり早めの【認知】=タイミングをずらす
  • 見たとは思えないほど瞬間的な【認知】
  • 視野の端での【認知】

などが挙げられます。1つを究極まで高いレベルで行うか、組み合わせることで、

「DEFに気づかれない確認【認知】」

が成立します。まずこれがノールックパスの第1段階で重要です。まずこれをしっかり行うことによって、2と3、特に3の実行における技術的ハードルを下げることができます。ここが巧みであればあるほど、3のときにバレにくくなります。
前回の投稿で触れた福岡第一の河村君はこれを繰り返し行なっていました。特に隙間隙間で首を降って、認知に使うタイミングが瞬間的で繰り返し行なっているため、ディフェンスだけでなく、観客も予測できないようなノールックパスが成立します。

 

次は2の【判断】について書いていきます。
”レシーバーの動きの予測”が必要な理由は当たり前ですが”ノールック”だからです。1の【認知】から3のノールックでの【実行】までの間はレシーバーを見ることができません。なので、レシーバーを認知したあと、そのレシーバーがどのように動くかを予測する必要があります。このあらゆる予測から実際に実行するプレーを選択するのが【判断】です。
1の【認知】はターンオーバーに繋がりませんが、この【判断】と次の3はターンオーバーに直結します。ではこの【判断】を掘り下げていきます。

  • セオリーに基づいた予測からの【判断】
  • チームのルールに基づいた予測からの【判断】
  • 個人のプレーセレクションの癖からの【判断】

「ノールックパス」の【判断】はおよそ上記の3つから行なわれます。
いや、これは「ノールックパス」の【判断】に限らないですね。完全にプレーの【判断】全般ですね!!ということで画像にまとめました笑

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Play Selection Standard

こんな感じですね!下から上がっていき最終的に判断していきます。もちろん一番下のセオリーのみで判断も可能です。基本的には目で見ながら、この基準で判断しプレーをしていくのですが、「ノールックパス」はこの基準でレシーバーの動きを予測してパスを【実行】していきます。味方がどこまで把握し、どの動きをするかの予測の精度は、日頃の練習や試合、オフザコートのコミュニケーションで培われていくでしょう。

福岡第一の河村君はおそらく福岡第一の高校トップレベルの練習量を仲間とこなすことによって予測の精度を磨いていると思います。ただ、河村君に関しては練習量だけでなく、日頃から味方をよく見ることを自然にやっている気がします。
これはあくまで僕の予想でしかありません。ただ、オンザコートとオフザコートの振る舞いを直接見たときにそんな風に感じました。それは彼の個性、チームスポーツのアスリートとしては最高の能力ではないでしょうか。常に首を振って、周りを見ているのもここから来ているかと思います。

前述したとおり、この2の【判断】をミスればターンオーバーに直結します。【判断】するには【認知】が必要なんですが、チームスポーツではこの【判断】がかなり大事です。【実行】は練習量で磨けますが、【判断】は量だけ磨くのは難しいです。

 

では、最後の【実行】に関して話していきたいと思います。
こちらは"パスの出す方向を見ずに正確に出す技術"が必要ですが、これは言わずもがな、当たり前ですね笑
ただ、これも少し分けて解説していきたいと思います。

  • 基礎的なパスを正しい方向に出す技術
  • 高度な技術を要するパスを正確に出す技術
  • ディフェンスとの駆引、演技の技術

ざっとこのぐらいかと思います。”基礎的なパス”とは、チェストパス、サイドプッシュパスといったいわゆる基礎的なパスです。高度な技術を要するパスとは、ビハインドザバックパス、ネックパス、レッグスルーパス、最近だとピック&ロールからのフックパスもこれに当たるかもしれません。これらのパスを見ずに正確に出す技術がノールックパスには不可欠です。

そして、最後の”ディフェンスとの駆引、演技”が忘れられることが多いけどかなり重要です。ノールックパスも当たり前といえば当たり前の技術です。皆さんして知っています。そこそこ競技レベルが上がってくると、ディフェンス側もノールックパスもちゃんと予想します。散々パスする方向を事前に確認しておいて、わざとらしく出す瞬間だけでそっぽを向いてノールックパスにしてもバレバレです。

「あたかも一回も見ていないような演技」
「パスを考えていない演技」
「ディフェンスの脳からパスが消えた瞬間にパスを出す駆引」

これは挙げ出したらキリがないです。最後の”ディフェンスの脳からパスが消えた瞬間にパスを出す駆引”というのは細分化すればいくらでもあります。
こちらはただの一例ですが、「一定のリズムでパスを出している中でパスを止めたら、ディフェンスは「パス回し止めたかな」ってふと考える。その瞬間にノールックでパスをすればディフェンスはほぼ確実に反応できない。」とこんな心理戦、駆け引きがあります。もちろんこの時も”パスを考えていない演技”は大事になってきます。

河村君を持ち上げまくることになりますが、河村くんはこれも上手いです。”日頃から味方をよく見ること”について言及しましたが、そこからディフェンスのこともよく見ている気がします。ファーストブレイクであたかも自分がそのままレイアップに持っていくような空気を出して、後ろ走ってくるスティーブ君にレッグスルーパスをしたこともありました。彼は本当に凄いと思います。

かなり河村君を持ち上げていますが、ここはかなり経験からくるものがあり、BリーグNBAのガードの方が1枚も2枚も上手かと思います。こちらのレブロンの有名なしょっぱなのアシストは駆け引き抜群ですね。

と、ここまで色々語って解説してきましたが、いかがでしょうか?以上のことを踏まえて、冒頭の昨シーズンのベストノールックパスを見ていただけたらと思います。かなり楽しいと思いますよ!!

これだけでは分からないよ、難しすぎ!って思われた方はぜひぜひコメントください。よろしくお願いいたします。

いつにもまして締め方がわかりません。最近はてなからnoteに移ろうか考えています。では、最後は<今日の動画>を紹介して終わります。ではでは、鈴木元気でした!

今日の動画

ホワイトチョコレートこと、ジェイソン・ウィリアムスの44歳の誕生日を祝してNBA公式から公開された彼のアシストだけのキャリアハイライト
13分ありますがマジで最後まで飽きません!!